介護士の仕事内容について

介護施設での介護士の仕事内容は、大きく分けて3つあります。食事、入浴、排泄です。まず食事介助では、ただ単に栄養分を摂取することだけが目的ではありません。食事を通じて、食べる楽しみ、生活への潤い、長年の習慣や食文化の継続、自己決定による意思表示、他者とのコミュニケーションや団らんといった多様な目的を併せ持っています。毎日繰り返される支援であるため、安全面には十分考慮し、被介護者に不快な思いや危険が及ぶことはあってはなりません。

安全で快適な食支援のためには、環境を整えることが大切です。介護の原則に、寝る場所と食事を摂る場所を分ける寝食分離という言葉があります。同じ場所にしてしまうと風景の変化に乏しく、衛生的にも推奨できません。もし被介護者が移動できない場合は、盛り付けをアレンジして食事を楽しんでもらう工夫をしたり、衛生面に十分気を付けましょう。食事の前には排泄を済ませて、口腔内と手を清潔にし、正しい姿勢を保つことが重要です。入浴介助では汚れを落とすだけではなく、心身のリフレッシュやリラックスも目的としています。浴室は滑りやすいため、声掛けや身体を支えるなどしてサポートしましょう。入浴は基本的に自立支援であるため被介護者に自ら身体を洗ってもらいますが、洗い残しがある場合は援助します。排泄介助では、被介護者の羞恥心や自尊心に配慮しなければなりません。不要な露出を避け、排泄時の音や臭いへの配慮など、プライバシーを守ることも重要です。